8mm・16mmフィルム専門店:映写機・フィルム関連商品の販売・修理・フィルムに記録された映像をVHSやDVDへ変換・入門講座・映画祭運営

8mmフィルムの種類について

現在、8mmフィルムは大別して、スーパー8フィルム、シングル8フィルム、ダブル8フィルム(レギュラー8フィルム)の3タイプのフィルムが用意されています。

この3タイプのフィルムは、それぞれ使用するカメラが異なります。
スーパー8フィルムを使用するのであればスーパー8フィルム専用のカメラ、シングル8フィルムを使用するのであればシングル8フィルム専用のカメラ、ダブル8フィルムを使用するのであればダブル8フィルム専用のカメラというように、どのタイプのフィルムを使用するかによって、使用するカメラも決まります。
また、先に好みのカメラを決めた場合は、今度はカメラによって使用するフィルムの種類が決まってしまうというわけです。
残念ながら、全く互換性がないため、どのフィルムにも対応できるというカメラはありません。
特に初めて8mmを始められる方はカメラの選択に際して、ここでの解説をよくご理解ください。

●使用するフィルムのタイプがコダック社製スーパー8フィルムなら、使用するカメラはスーパー8カメラです。

●使用するフィルムのタイプが富士写真フィルム社製シングル8フィルムなら、使用するカメラはシングル8カメラです。

●ダブル8フィルム(レギュラー8フィルム)なら使用するカメラはダブル8フィルム用カメラです。

以下の項目で、3タイプの8mmフィルムについて説明します。
3タイプのフィルムとも、使用目的に応じたフィルムが用意されています。

スーパー8フィルム(コダック社製)

戦前から戦後昭和30年代までの8mmカメラは、それまでの家庭用カメラが16mmであったため、その16mm幅のフィルムを若干加工し半分の8mm分ずつ往復撮影するダブルラン8と呼ばれるタイプのものでした。
その後、16mmカメラから8mmカメラになって小型になったものの、やはりリールに巻かれた裸のフィルムの装填が厄介で、しかも暗い場所でしかフィルムの出し入れができなかったため、一般にはその扱いが難しく普及も頭打ちになっていました。

そこで、1965年アメリカのコダック社が、予め8mm幅に切ったフィルムを四角いプラスチックのカートリッジに50フィート(50m)分を詰め込んだ、明るい所でもフィルム交換ができる「スーパー8」と名付けたフィルムを開発、発表し、さらなる普及を目指し8mmフィルムの一大改革をはかったのです。
そして同時に全世界のフィルムメーカーとカメラメーカーに対し、規格の統一化の協力を求め、スタートしました。このフィルムの出現により8mmの普及率は飛躍的に伸び、このスーパー8方式が瞬く間に世界の8mmフィルムのスタンダード的存在になったのです。

現在、スーパー8フィルムは、これを開発したコダック社から5種類のフィルムが発売されています。全盛期に同じタイプのフィルムを製造、供給していたさくらフィルム(現コニカミノルタ)をはじめ、ドイツのアグファなど他社は既にフィルムの製造をすべて完了してしまっていますが、コダック社だけは今でも積極的に新しいフィルムを加えるなど、8mmユーザーのために頑張ってくれています。そして今後もスーパー8フィルムの供給をやめることなく製造を続けると言っています。

フィルム・メーカーとして世界的にも最大手であるコダック社が、このスーパー8フィルムを開発、発表したことから、当時の世界のカメラメーカーは全てこのフィルムに対応すべく、8mmカメラの開発に取組み、そして各社より優秀なカメラが続々と発売されました。しかし、ビデオの出現で1980年代中期にすべての8mmカメラは製造中止となってしまいましたが、中古品として現在でも当時の性能を立派に発揮できる国内海外製品の名機(カメラ)がたくさん現存しており、その購入にあたっては、まだまだ使用ニーズに合ったものを探せる環境です。

“スーパー8”は、コダック社の8mmフィルムの商品名称です。現在、コダック社より発売されているスーパー8フィルムは、カラーリバーサル・フィルムが1種類、モノクロリバーサルフィルムが2種類、カラーネガフィルムが2種類の計5種類が販売されており、全国の大手カメラ店で今もご購入いただけます。

それでは、1種類ずつ簡単に説明していきましょう。
まずは、コダック社のスーパー8フィルムの歴史にはかかせないコダクローム40というフィルムについて少々お話しいたします。このコダクローム40は、発売以来、世界最高のカラーリバーサルフィルムといっても過言ではなく、そのシャープな映像と発色の良さは、全世界のスーパ−8フィルムファンを魅了してきました。
しかし、残念なことに、2005年5月、このコダクローム40の製造中止が決定し、日本でのわずかな在庫を最後にこの8mmの世界から永遠に消えてしまうこととなりました。
もともとこのコダクローム40は、色の均一性を保つため、特別な現像環境を必要とすることから現在ではコダック社のスイス現像所でのみ現像が行なわれていました。この現像の取扱いも2006年7月15日をもって終了となりました。ただ、あまりにも多くのファンを持つコダクローム40に対して、実はアメリカでこのフィルムを現像し続けている一般ラボがあります。正規ルートではありませんが、コダクローム40ファンにとっては、唯一のラボとなります。この現像所へは、撮影したフィルムをEMSなどの国際郵便を利用し、個人で出さなければなりませんので、少々リスクはありますが、コダクローム40で撮り続ける方々にとっては、その窓口が提供されていることの方が大きいかもしれません。
製造中止になったスーパー8フィルム

さて、前置きが長くなりましたが、ここからは、コダック社のスーパー8フィルムの現行商品についてご説明いたします。カラーリバーサルフィルムのエクタクローム64Tは、既に2004年12月に製造中止となった前エクタクロームVNF7240の後を継いで、本国では2005年8月、日本では2006年3月より発売を開始いたしました。
前エクタクロームVNF7240はEI感度が125でしたが、このエクタクローム64TはEI感度64となります。
前エクタクロームVNF7240が風景撮影に適した柔らかい映像をかもし出すフィルムであったのに対して、このエクタクローム64Tは比較的ビビットな発色で、このデジタル環境に追従した仕上がりを持つフィルムといえるかもしれません。エクタクローム64Tは、E6という現像処理が行われますが、現在、この64Tのみならず、スーパー8フィルム全種類とも日本での指定現像所はありません。そこで、コダック社の正規ルートをご利用いただくと海外の現像所へ出されますので、どのフィルムとも約3週間〜1ケ月位かかります。そこで、事故があった場合のリスクはありますが、速さと安価であるメリットから海外の現像所へ個人で直接出す方も少なくありません。

次に、5種類のモノクロリバーサルフィルムについてご説明いたします。このモノクロフィルムは2004年5月にこれまでのプラスX、トライXに改良を加え、より解像度を上げた新プラスX、トライXが発売されました。
それぞれの感度は、プラスXがEI100、トライXがEI160です。これらの現像もエクタクロームフィルムと同じくお近くのコダック・フィルム取扱い店を利用し日本コダック経由でお出しいただくか、個人で海外の現像所へ送る方法となります。この2種類のモノクロリバーサルフィルムは、フィルム・ファンからしてみれば絶対に使ってみたい2本だと思います。

最後に、カラーネガフィルムですが、2004年に、新製品として「VISION2 200T」と新製品「VISION2 500T」が発売されました。このカラーネガフィルムは、16mm、35mm商業映画で使われているフィルムとまったく同じものです。「VISION2 200T」のEI200、「VISION2 500T」のEI500となります。8ミリフィルムとは思えないほどの高解像度ですが、ネガテレシネ前提でご活用いただくこととなります。現像は、エクタクローム、モノクロフフィルムと同様お近くのコダック・フィルム取扱い店を利用し日本コダック経由でお出しいただくか、個人で海外の現像所へ送る方法となります。個人で海外の現像所へ送られる場合は、現像とテレシネが同時にできる現像所もあります。

以上のように、現在販売されておりますスーパー8フィルムはすべてタングステン・タイプ(人工光屋内撮影用)となります。屋外の太陽光線下での撮影時には色温度補正のためアンバー(茶褐色)フィルター(ラッテン85)の装着が必要となりますが、すべてのスーパー8用カメラには予めカメラ本体にその補正フィルターが内蔵されており、カメラ側に表示されているスイッチを切換えることによって(一部カメラはキー抜差しによる切換)フィルターを入れたり解除したりできますのでまったく心配はありません。むしろ、この方式の方が屋内と屋外でその都度フィルムを交換する必要がありませんので便利です。ブラウン・ニッオ、ライカ、ツァイス、バウアー、ボリュー、そしてキヤノン、ニコンなど、世界の名機で、発色の美しいコダック・カラーの世界を体験していただきたいと思います。

最後に、スーパー8フィルムは輸入品にもかかわらず日本での購入価格が世界の何処よりも安く、極めて購入環境が良いということを申し上げておきたいと思います。それまでコダクローム40しか現像を取扱っていなかった日本コダックが2002年1月15日よりその他のスーパー8フィルム全種類の現像受付を開始いたしました。もちろん日本コダック経由の海外現像となりますが、お近くのコダック取扱い店から出せるようになり期間も3週間〜1ケ月と短縮されました。このようにコダックは16mm、35mm商業映画の部門だけでなく、日本では一掴みしかいないわずかな8mmユーザーのために、利益ど返しで世界のフィルムメーカーとしてのプライドを持って日々その存続に努力し続けています。

スーパー8フィルムの現像について:
●お近くのコダック・フィルム取扱い店、または、カメラ量販店に直接お出しください。
〈お問い合わせ先〉
(製品に関して)コダック株式会社 EI事業部 カスタマーサービスセクション 電話:03-6891-2010
(現像処理全般)ケイジェイ イメージング株式会社 営業部 電話:0120-70-1681

●個人で海外の現像所へ現像に出される場合は、お客様と海外現像所間での直接お取引となります。お住まい近くの郵便局の国際郵便(EMS便)などからフィルムを直接海外の現像所へ送ります。現地での現像日数は1日ですので、それに往復の日数が加算されますと、通常1週間〜10日ほどでお手元に戻ってまいります。(年末年始、夏期休暇時期など郵便が混合う時期は3週間ほどかかる場合もございます。)この方法は、スピードとコストの面(ただし、5本以上同時に出されないと送料の方が高くつきますのでご注意ください)では良いのですが、事故等のリスクもありますので、ご利用いただく場合は充分ご考慮いただき、各々の現像所の指示に添ったお手続きをくださいますようお願い申し上げます。

※上記いづれの方法とも、万一、事故があった場合(現像ミスや輸送時の事故など)は、本数分の新品フィルムと現像料の補償しかございません。

シングル8フィルム(富士写真フィルム社製)

シングル8フィルムは、日本のフジフィルムが考案、開発したフジフィルム独自の規格です。
コダックのスーパー8フィルムに対して、フジフィルムも同時期に単独でカートリッジの形状の違うシングル8という名称のフィルムを発売しました。結局、形状の違う2種類の8ミリ用カートリッジフィルムが同時に世に出てしまったため、当時のユーザーはどちらを選択するか、非常に迷ったようです。ビデオでいうならVHSとBETAのような環境でした。

フジは1966年アメリカのカメラショーで、このフィルムのための専用カメラであるシングル8・P-1と、映写機M-1とともにシングル8フィルムを発表しています。余談になりますが、ドイツのアグファ・ゲバルト社はフジの誘いで同じシングル8方式のフィルムを作る予定でいましたが、当時の周囲の状況(あまりにスーパー8の普及が著しいため)から発表直前に結局スーパー8方式に乗換えてしまったという話があります。その後、カメラメーカーのほとんどがスーパー8機の製造に力を注いでいた中、フジは自社製カメラの開発をさらに積極的に行わなければならないことを余儀なくされたわけです。日本ではキャノン、エルモ、コニカ、ヤシカの4社だけが一時シングル8機の製造に協力したものの主流はやはりスーパー8機でした。そのため、海外ブランドにはシングル8機がありません。
近年、気がかりだった事は、日本が開発したシングル8フィルムの先々の供給の問題でした。1999年3月それまでカラー2種類、モノクロ2種類、同録用及びアフレコ用とそれぞれ用意されていたフィルム群が、サイレントのカラーフィルムのデイライト用とタングステン用の2種類だけに絞られ、さらに2000年3月それまで週2回の現像が週1回になり、かなり縮小の動きが加速していました。そして、とうとう2006年4月25日、シングル8フィルムの製造中止と販売、現像終了期日が発表され、
フィルムの出荷は2007年3月まで、現像の受付は2008年9月までということでしたが、熱心なシングル8ファンの気持ちに応え、2007年1月10日に終了延期が発表されました。

http://fujifilm.jp/information/20070110/

シングル8フィルムの現像について(国内現像):
お近くのフジ・フィルム取扱店、DPEショップ、または、富士写真フィルム株式会社の調布(柴崎)の現像所に直接お出しください。毎週水曜日までにお出しいただくと、その週の金曜日の夕方までに仕上がります。

ダブル8フィルム

ブル8(レギュラー8とも呼ばれる)は、1965年にスーパー8、シングル8が発売される以前の規格で、16mm幅の裸のフィルムをスプールに25フィート(7.5m)に巻いたものです。
これをカメラにセッティングすると半分の8mm幅に撮影されるようになっており、フィルムが終了したら、もう一度フィルムをセッティングしなおすことによって残ったもう半分を撮影します。
そして、現像時に半分に裁断され、8mm幅の2本になったフィルムが1本につながれ50フィート(15m)リールに巻かれた状態で仕上がってきます。このタイプのフィルムを使用するカメラは、すべて1965年以前に製造されたカメラです。最初の家庭用カメラは現在の業務用16mmと同様のものでした。(他にフランスで生まれた9.5mm幅の特殊なものもありました。)
そのため、カメラ自体が大きく重かったためあまり普及せず、もっと小型にしたいという理由から8mmカメラが戦前・戦後にかけて各メーカーで開発・製造されました。
以後、通常の16mmカメラはニュース取材用や小映画製作用として業務用の存在になっていったのです。
しかし、カメラはできても8mm用のフィルム自体がその頃世の中に存在しなかったため、改めて作るよりは既製の16mmフィルムを流用し、カメラ側での工夫によって8mmフィルムに仕上げた方がはるかにコストが安いということから、この方式が定着したものと思われます。この頃のカメラは16mmからの技術導入と、記録面積が16mm幅に比べ8mm幅ではその四分の一になってしまうことによる画像の劣化を補うため、レンズも質の高い素材と技術が導入されていましたので、この時代の製品には意外に優秀なものが多く、デザイン的にも極めて魅力的なものが数多く存在します。(写真は、すでに製造中止されたエクタクロームVNF7240ベースのシネカラー125です。)

ダブル8フィルムの現像について:
ダブル8フィルムにつきましては、現在、海外の現像所のみで個人で海外の現像所へお出しいただく方法のみとなり、お客様と海外現像所間での直接お取引となります。お住まい近くの郵便局の国際郵便(EMS便)などからフィルムを直接海外の現像所へ送りますと、通常10日前後でお手元に戻ってまいります。
(年末年始、夏期休暇時期などは3週間以上かかる場合もございます。)

今ではインターネットが普及し海外の現像所とも容易にコンタクトできるようになりましたので、海外の現像所と個人のお客様が直接取引可能になりました。海外の現像所では、日本で現像が不可能なフィルムの現像も取り扱われており、フィルムファンにとってはたいへんありがたいのですが、リスク面も充分ご考慮の上、ご利用いただきますようお願い申し上げます。

フィルムの使用期限について:
8mmフィルムの外箱に使用期限が表示されておりますが、メーカーでは、この期限から数年間(2〜3年)は、使用に問題はないそうです。かつて、シネヴィスで7年間冷所保管していたフィルムを撮影、現像したことがありました。このときは全く映像に問題は出ませんでしたが、様々な環境の相違などがございますので、できる限り早めのご使用をおすすめいたします。